『库拉姆』

身寄りもなく素性もわからなかった青年だが、幼い頃ラナーに拾われ生を得た。王女付きではあるが、特別な才能などは無く努力を愚直なまでに重ね、英雄の領域には到底及ばないものの王国兵士でも上位の実力を身につける。

王女とは幼少の頃からの付き合いということもあり、彼女からは非常に近い距離感で接されている。身分に見合わない純白の全身鎧も彼女から贈られたものである。命の恩人としての心酔や王家への忠誠に留まらず、王女へ確かな恋心を抱いてはいるが、明かすものでもないとして隠している。

彼の望みは恥ずべきことの無い王女の騎士であることのみであり、成り上がり故に周囲から振りまかれる悪意も確かな意志で跳ね返し、政治的にも付け込まれまいとしている。それでも努力だけでは届かぬ高みに非才の身で挑もうとしているとして、同じ戦士としてのガゼフやイビルアイなどからは好感され、期待されつつもその有り方を危ぶまれている。

そんな現状に焦れていたある日、偶然セバスの技を目撃し師事を乞う。そして、了承したセバスによってほんの一時で可能な稽古を提示される。そして、そこで放たれた圧倒的な殺気を王女への想いで何とか耐え切り、一段吹っ切れることに成功する。

その後、セバスから受けた相談からの流れで「八本指（六腕）」の一人と対峙することになり、これを追い詰めるも重傷を負うが、ウェブ版では突如現れたセバスに、書籍版では別行動を取っていたブレインに助けられ一命を取り留める。