- 地区:日本
- 动画种类:TV
- 中文名称:波菲的漫长旅程
- 原版名称:ポルフィの長い旅
- 英文名称:Porphy no Nagai Tabi / The Orphans of Simitra
- 其它名称:西米特拉的孤儿 ~ 波菲拉斯的漫长旅程 / Porfy no Nagai Tabi / The Long Journey of Porphy
- 首播时间:2008-01-06
- 播放状态:完结
- 标签:历史 / 冒险 / 剧情 / 小说改
- 原作:ポール・ジャック・ボンゾン
- 监督:望月智充 / 山本靖貴
- 脚本:国井桂 / 望月智充
- 分镜:望月智充 / 小林治 / 木村隆一 / 高柳哲司 / 立場良
- 演出:立場良 / 中村圭三 / Kim Dae Hoon / 上原秀明 / 山本靖貴
- 动画制作:Nippon Animation
- 系列:波菲的漫长旅程
- Rating:12+
《波菲的漫长旅程》
故事讲述了第二次世界大战不久之后的希腊,在一个叫西米特拉村里的两兄妹波菲拉斯和米娜,因为地震失去了双亲成为了孤儿。
更为不幸的是,彼此相依为命的兄妹两人因为偶尔的事情而分开。
担心妹妹安危的波菲拉斯在毅然决定去寻找妹妹的下落,在经历了千辛万苦之后,终于找到了妹妹的故事。
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第1话
ポルフィとミーナは、ギリシャの小さな村シミトラに住む仲の良い兄妹。父のクリストフォールが自動車修理工場を造るためにアテネへ出稼ぎに出ている中、母のアネークを助けて暮らしている。ある日ヤギの世話をしている途中に、車が大好きなポルフィはミーナを置いて走っているジープを見にいってしまう。ポルフィが放り出したためにヤギが逃げ出し、どうすることもできずに一人で泣きそうになっていたミーナ。やって来たアネークと一緒にヤギを呼び集めるが、一頭いなくなってしまった。戻ってきたポルフィは反省して慌ててヤギを探しにいくが・・。
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第2话
気持ちのよい早朝、畑を手伝いに出かけるミーナ。朝寝坊を起こされたポルフィは、アネークが取り出した懐中時計に心を惹かれる。それは母が父と結婚をした時に、唯一から実家から持ってきた大切なものだった。学校から戻ると、父クリストフォールから手紙と小包が届いていた。ミーナにはギリシャ神話の本、ポルフィには自動車の本。アネークにはスカーフのお土産、そして間もなく父が帰ってくるという知らせに喜ぶポルフィたち。そんな嬉しいことのあった後、ある夜、屋根裏の子供部屋に何かがやって来た。
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第3话
今日はクリストフォールが帰ってくる日。ポルフィとミーナは待ちきれなくなって、早めにバスターミナルまで迎えに出かけていく。小さな港で漁師の働く姿や行きかう車を眺めながらバスを待っていたが、予定の時刻を過ぎても中々現れない待ち人に、だんだん不安になってくる2人。辺りが暗くなった頃、ようやく父クリストフォールが帰ってきた。家に向かいながら口々に、父がいなかった間の出来事を話すポルフィとミーナ。母の出迎えを受けて久しぶりに家族が揃った夕食の席で、クリストフォールが語る修理工場の計画に、ポルフィは目を輝かせるのだった。
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第4话
ミーナの誕生日の朝。早起きしたポルフィは、誰にも内緒でミーナへのプレゼントを作っている。クリストフォールは村長の車の修理代の代わりに、車を借りてみんなでピクニックに行くことを伝える。クリストフォールと一緒に村長の家に向かったポルフィは、父の修理作業を一生懸命に手伝う。そしてピクニックに出かけた一家は、円形劇場の遺跡にやって来た。舞台だった場所の真ん中に立ち、古代の歌姫になりきってみんなに語りだすミーナ。家族の拍手に迎えられ、ミーナはいつか本物の舞台で歌ったりお芝居したりする人になりたいと、夢を話すのだった。
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第5话
一家の修理工場の建設が始まった。自分でも修理の勉強をしたくてたまらないポルフィは、授業をさぼり学校を抜け出そうとする。しかしザイミスに見つかってしまい、2人の仲は気まずくなってしまった。クリストフォールは村の知人に建設を手伝ってもらって工場を完成させるが、開業早々に客足が途絶えてしまって悩むポルフィ。そんなポルフィを心配したザイミスはポルフィの家を訪れ、大きい看板を造ろうと提案する。一生懸命に作業をしながら、ようやく2人は仲直りできた。出来上がった「パタゴス大ステーション」の看板を見たクリストフォールからお礼を言われ、ポルフィは自分のしてしまったことを父に打ち明ける。謝るポルフィに、クリストフォールはウソをつくとこはいけないと諭す。
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第6话
パタゴス大ステーションにイタリアからトラックがやって来た。輸送の仕事をしているジャンニと娘のアレッシアは、米軍基地への引越し荷物を運んでいた。小さな修理工場をアレッシアにバカにされ、ポルフィは彼女とケンカをしてしまうが、パタゴス家ではジャンニの仕事が終わるまでアレッシアを預かることになった。ポルフィとミーナに案内された教会で、アレッシアは去年亡くなったばかりの母のために祈りを捧げる。ポルフィは彼女の天国の母親に聞こえるよう教会の鐘をたくさん鳴らした。夜になって、アネークの家庭料理を嬉しそうに味わうアレッシア。やがて去っていくアレッシアに、ポルフィはほのかな恋心を抱く。
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第7话
旅立ったアレッシアのことを考えていたポルフィの元に、彼女から手紙が届く。ミーナにからかわれながらも、ポルフィはアレッシアの言葉を読んで聞かせるのだった。村には続々と車が通りかかるが、給油ができないポルフィの家のステーションを通り過ぎてしまう。クリストフォールは何かを考え込むと、家族を連れて久しぶりにヤニーナの町へ出かけることにした。ポルフィは町で初めてガソリンスタンドを見て給油機に目を輝かせ、ミーナは「パリの花束」という映画にたちまち夢中になった。クリストフォールは3人が映画を見ている間に銀行を訪ねていたが、給油機を買うための融資は断られてしまう。村へ帰る前にレストランで食事を済ませたポルフィたちは、偶然にアネークの昔の友人と再会する。
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第8话
ポルフィは今日も、村の道を走る車が給油機のない一家のステーションを通り過ぎてしまうことを残念がっていた。そこへ興奮したザイミスがやって来る。ザイミスは弟か妹ができることになり、良い兄になる秘訣を教えてくれるようポルフィにせがむ。ミーナはすっかり映画のセリフを覚えてヒロインになりきっている。ステーションのことばかり考えていたポルフィは、とうとうあることを思いつき、ザイミスに反対されても聞き入れずにいた。ある夜、ポルフィはこっそり家を抜け出すと、近所の道路にわざとクギをばらまいてしまう。ところが暗い帰り道を歩きながら、だんだんと反省の気持ちがこみ上げたポルフィは、まいたクギを拾うために道路へ戻って行くのだが…。
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第9话
アポロの鳴き声に目を覚ますと、ポルフィは家のベッドで寝ていた。ポルフィに向かって走ってきた車は、バーンズ大尉のジープだったのだ。夜中に道に飛び出した理由を聞かれ、ポルフィはクギのことを正直に告白した。ポルフィの反省する姿に、バーンズはこの場をとりなして、クリストフォールに車の調子を見て欲しいと頼むのだった。バーンズはクリストフォールの丁寧な仕事ぶりと、アネークのおいしい朝食に感心しながら基地に帰っていった。ポルフィの気持ちを知ったクリストフォールは、一緒に乳しぼりをしながら、いつかガソリンスタンドを作ろうと二人で誓う。そんなある日、バーンズ大尉からアメリカ軍の指定修理工場をやってみないかという誘いの手紙が届く。ポルフィとミーナは父と一緒に、わくわくしながら基地を訪ねて行く。
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第10话
アメリカ軍の車が修理に立ち寄るようになり、忙しくなったパタゴス大サービスステーション。ポルフィも父を手伝おうとするが、朝寝坊してしまう。そんな中、基地で出会ったジョンとトムが父スミスに連れられてパタゴス家に遊びにやって来た。クリストフォールは忙しい仕事の手伝いを止め、一緒に遊ぶようにポルフィを送り出してくれた。興味津々で屋根裏部屋に上がるジョンとトムに、飛んできたアポロを紹介するポルフィ。おやつの後、庭でキャッチボールに熱中していると、通りかかったザイミスも一緒になってすっかり打ち解ける。ジョンとトムにアメリカのことを教えてもらったり、川で釣りをしたりと楽しい時間を過ごす子供たち。丘の上の木に登り、シミトラ村の美しい風景を眺めていると、別れの時間がやってくる。ミーナは4人の男の子達をスケッチし、その絵をジョンとトムにプレゼントした。帰り際、スミスが今日のお礼に子供たち全員を写真に撮ってくれるのだった。
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第11话
スミスから預かった子供たちの写真を持って、バーンズ大尉がパタゴス家にやって来た。写真を見ながら、米軍基地内で食べたアイスクリームのことを思い出す食いしん坊のポルフィにあきれるミーナ。ポルフィはザイミスから生まれてくる赤ん坊のためのペンダントの作り方を教える約束をするが、いよいよ始まったガソリンスタンドの建設の手伝いに夢中になり、約束を忘れてしまう。慌てて家に戻ると、アネークが氷を使って子供たちにアイスクリームを作ってくれていた。ミーナに促されて、ザイミスに約束を忘れたことを謝るポルフィ。仲直りしながら作ったアイスクリームは、基地で食べた時よりずっとおいしいものになった。そして屋根裏部屋で、ミーナの描いた天使の絵をもとに、ポルフィとザイミスは一緒にペンダントを彫るのだった。
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第12话
ポルフィの待ちわびていた真っ赤な給油機がいよいよパタゴス大ステーションに運ばれてきた。期待に胸が膨らませながら、クリストフォールは「いつか大きな車でみんなでヨーロッパ中を旅行しよう」と、家族みんなに約束する。朝食の仕度をしていたアネークは、井戸が使えなくなっていたことに気づく。ザイミスの家でも同じように井戸が使えなくなっていたが、ザイミスは訪ねてきたポルフィとミーナにできあがった天使の人形を見せる。不器用なザイミスのために、ポルフィは人形を仕上てあげようと家に持ち帰ることにする。ステーションにもどると、タンク用の穴を固めたコンクリートに大きな亀裂が入ってしまい、ポルフィは修理を頼みに行くことになった。その途中、黒い服の老人ダモンと出会ったポルフィは、教会への道を訪ねられて案内する。ダモンはみちみち、亡くなった人達を祀るイコンの箱のことを話すと、ポルフィに案内のお礼にと一枚のイコンを差し出した。
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第13话
恐ろしい揺れがようやくおさまり、あたりを見回すと村のあちこちから煙が上がっていた。家族が心配になったポルフィは一目散に家へと駆けて行くが、やっとの思いで辿り着いた家は瓦礫の山となりすっかり変わり果てていた。ポルフィは必死に家族の名前を叫びながら瓦礫をどかし続け、いつしか気を失ってしまう。目を覚ましたポルフィがいたのは、救護所になっている教会の中だった。たくさんのケガ人を見て、改めて恐ろしさに身を震わせるポルフィ。眠っているミーナとようやく再会したが、クリストフォールとアネークのことは分からないままだった。そして訪ねてきたバーンズに海辺に連れだされポルフィは、父と母の死を告げられるのだった。
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第14话
ザイミスの母ドリーの産んだ赤ん坊は、エルピーダと名づけられた。ポルフィは仕上げておいた天使の人形をザイミスに手渡す。救護所では被災した人々が立ち寄り食糧の配給を受けていた。ポルフィもミーナと一緒にテントの周りでパンとスープの食事をとっていたが、食欲のないミーナが心配になる。そばにいたダモンが怪我のせいで食事が不自由なことに気づくと、ポルフィは父母の死に動転して怒鳴ってしまったことをダモンに謝った。救護所にやって来た自動車が、親を失った小さな女の子を乗せて去っていく。ザイミスに、その子が養子にやられていくのだと教わったポルフィは、自分もミーナと離れ離れになるのではと不安になってしまう。シスターのエレナにミーナとは絶対に離れないと告げたポルフィは、次の日の朝、こっそり救護所を抜け出し、ミーナの手をひいて家へと戻っていった。
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第15话
地震からひと月がたった。救護所での生活にも少しずつ慣れてきたが、ミーナはあいかわらずしゃべらないままだった。ある日ポルフィが車の修理をしている間に、ミーナがいなくなってしまう。大慌てで探し回ると、ミーナは海辺の岩陰で歌っていた。そして、ザイミスの母ドリーのもとに手紙が届き、救護所を出て親子で遠くの叔母の家に住まわせてもらうことになる。ザイミスが居なくなることを知り、不安に駆られるポルフィは、ミーナがアメリカへ養子にもらわれるという話も立ち聞きしてしまう。大きなショックを受けたポルフィは、ふたりですぐに救護所を逃げ出そうとミーナに話す。海辺の岩陰を待ち合わせ場所に定め、ふたりは見つからないようにバラバラに救護所を出てきたが、海辺へ向かう途中、小道に止めてあった自転車に気を取られ立ち止まるミーナ。街で見た「パリの花束」のワンシーンを思い出し、嬉しくなって自転車に触れていると、やって来た自転車の持ち主に盗もうとしていると誤解されてしまう。怒鳴られてパニックになったミーナは、海辺とは違う方向に走っていってしまい、ふたりはそのまま離れ離れになってしまった。
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第16话
はぐれてしまったミーナを、ポルフィは町中で必死に探し回っていた。混乱しているミーナは街道をひたすら歩いていたが、途中でトラックに乗ったおばさんに拾われ、パトラの港へと行ってしまう。そのころ救護所では、見つからない二人を心配してみんなが帰りを待っていた。「いつまでも親友」と約束したポルフィを思って落ち込むザイミスを、エレナは慰めるしかなかった。賑やかなパトラの港の居酒屋では、旅の一座が商売に精を出していた。一座のイザベラは、港をさまよっているミーナに亡くした娘の面影を重ね、じっと見入ってしまう。イザベラはミーナに声をかけるが、ミーナは港を行き交う人の中にアネークの後姿そっくりの女性を見つけ、イザベラを振り切って行ってしまう。ミーナは母に似た女性を追いかけて船に乗り込んでしまうが、思わず抱きついてしまい人違いであることに気づく。しかしその時、船はミーナを乗せたまま出港してしまう。
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第17话
イオニア海を望む朝のパトラの港。ミーナの消息をたどってようやく港に着いたものの、ポルフィは途方にくれてしまう。港をうろうろしていると、石段のそばに物乞いの老婆の姿に気づく。自分で知らないまま、ポルフィはミーナと同じように一枚の硬貨を空き缶へ差し出した。去り際に老婆から名前を聞かれたポルフィは、ふとミーナを探していることを話す。すると目の不自由な老婆は、ミーナが船に乗ってイタリアへ渡ってしまっのだと言う。不思議な老婆は、どんなに悲しいことも、苦しいことも、長い長い旅の終わりには、想い出が癒してくれるはずだとポルフィに語りかける。ミーナの心の悲しみと自分自身の悲しみをあらためて思い、ポルフィはたまらずに海へと向かって号泣する。泣き明かしたポルフィはミーナを見つけようと固く決心するが、イタリアへ渡るための船賃さえ持っていなかった。ポルフィは船賃を稼ぐために、親切な男に教えられて壁のペンキ塗りのアルバイトを始めるのだった。
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第18话
ペンキ塗りのアルバイトをやり遂げ、お金を手に入れることができたポルフィは、港へ向かいイタリア行きの切符を購入する。船に乗り合わせた小さな女の子マリカは、ポルフィの肩に止まっているアポロに興味津々。仲良くなったマリカはポルフィに家族を紹介する。ポルフィの話を聞いたマリカの両親は、身の上を案じてチーズパイを分けてくれた。それは、母アネークの作ってくれたものと同じ味がした。幸せそうなマリカと家族を見つめ、孤独を感じるポルフィ。今日が自分の誕生日だったことを思い出し、淋しさに耐えながら船上での夜を過ごす。翌朝、マリカの父アルフィオの協力で、定期的に船に乗っているトラック運転手から、ミーナに似た女の子が先週イタリア行きの船に乗っていたと教えてもらう。希望が見えたポルフィが顔を上げると、とうとうイタリアの地が目の前に現れた。
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第19话
イタリアの大地に降り立ったポルフィ。小さな港の広場で、ポルフィはまだ朝食も取っていないことに気づき、何か食べようとそばの屋台に立ち寄った。ポルフィがポテトを買おうと差し出したギリシャのお金は、イタリアでは使えないものだった。戸惑うポルフィのために、屋台の主人が代わりに両替をしてきてくれるが、駄賃とばかりにお金を半分抜き取られてしまう。しかし、その場に居合わせた少年レオンがお金を取り返してくれた上に、港にいた不良たちからも助けてくれたのだった。レオンは行く当てのないポルフィを自分の親方マリオの元に連れて行く。ポルフィのあまりにも無謀な旅にレオンは叱咤するが、ポルフィの身の上話を聞き涙したマリオと妻のコンスタンツェは、しばらく自分の整備工場で整備工としての修行をするよう提案する。そして託されたタクシーの修理を一人でこなすという初仕事を無事に終えたポルフィ。自分も戦争で家族を失っていたレオンは、ポルフィに自分の工具の一部と、蓋付きのコンパスをくれるのだった。
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第20话
リュックを背負い出発を待つポルフィに、レオンは『まずは自分を助けろ、そうすれば神が助けてくれる』と旅立ちの言葉を贈る。内緒でアポロを連れ込んだ最新式の列車は、ポルフィにとって車とはまた違った興味を引くものだった。後から乗り込んできた妊婦や旅の男と話し込むうちに、行きたい方角とは違う列車だと知ったポルフィは、慌ててちょうど停止した駅に飛び降りた。周りは荒地ばかり出途方に暮れるポルフィが、遠くの岩山に見つけて向かった不思議な町は、洞窟の街・サッシだった。洞窟の家々が立ち並ぶ不思議な光景に、驚くポルフィ。人の気配が全くない町をさ迷ううちに、一人の少年を見つけるが、ポルフィの姿を見て逃げるようにどこかへ行ってしまった。後を追ったポルフィは、同じような岩の壁の入り組んだ町の中で自分がどこにいるのか分からなくなってしまう。夕闇が迫り辺りが暗くなってきて困ったポルフィは、ある一軒の家にこっそり入って夜を明かすことにする。
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第21话
洞窟の町に住む老婆ドーラの家に泊めてもらったポルフィ。朝食の良い匂いに起こされたポルフィを、ドーラはかいがいしく世話を焼く。しかしポルフィは、貰ったキャンディーをおいしそうに食べる自分を見ていたドーラの笑顔に、ほんの少し違和感を覚えてしまう。その時、父の形見の工具が入ったリュックが室内に見当たらないことに気づいて、ポルフィはドーラの家を慌てて飛び出してしまった。迷路のような街の中でますます迷ってしまったポルフィは、再び見かけた少年チロに助けを求める。チロは、ポルフィの困り果てた姿を見て一緒にリュックを探してくれたが見つからない。困ったチロは祖父ガスパロに頼むことにしてポルフィを家に連れ帰ると、街の人々がみんなでリュックを探してくれることになった。落ち着かないポルフィをなだめるガスパロ。ドーラの昔からの知り合いだと告げるガスパロは、ポルフィにこの洞窟の町が1000年よりも昔からギリシャとつながっていたと教えてくれるのだった。
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第22话
小さな駅のホームで、ポルフィは楽しそうな家族連れや旅行者を寂しさを感じながら眺めていた。やって来た電車に乗ろうとすると、元気な少女がポルフィを押しのけて先に入っていってしまう。ポルフィは少女にあきれながら続いて車内に入ると、中年の夫婦の隣の席を譲ってもらう。窓から見えるイオニア海の美しい眺めや一面のひまわり畑に見とれるポルフィ。いつの間にか寝入ってしまったポルフィは、ひまわり畑にいるミーナの夢を見る。終点についても目を覚まさないポルフィを起こしてくれたのは、さっきのおてんばな少女だった。デイジーと名乗った少女は、父親に会いに行くために一人旅をしていると話す。ポルフィが自分も妹を探していることを伝えると、デイジーはどんどん周りの人にミーナの事を聞いてくれた。ポルフィはそんなデイジーの活発な姿に、ふとアレッシアのことを思い出すのだった。
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第23话
電車で乗り合わせたマクシミリアンに連れられて、マクシミリアンの恋人イラーリアの住むマルティーニ農園に泊めてもらったポルフィ。農園の周りには手入れの行き届いた花々や豊かな果樹園が広がっていた。裏庭でヤギを見つけたポルフィは乳絞りを手伝わせてもらうが、ミーナやと一緒に幸せに暮らしていた時のことを思い出してしまう。朝食の席で、ポルフィはマクシミリアンや農場の主人デュリオ、グレタらに勧められて、しばらく滞在してミーナを探すことにする。ポルフィと一緒に車で町に買い物に出たイラーリアは、農園の周りに広がるオリーブ畑や小高い丘に立つ城の廃墟を案内してくれたが、ポルフィがオリーブの収穫を手伝ってくれたザイミスのことを話すと、イラーリアは友だちと言う言葉に暗い表情になるのだった。
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第24话
ポルフィはイラーリアとレベッカを何とか仲直りさせたいと思い、イラーリアをカリスト屋敷の近くまで引っ張っていくが逃げ出されてしまう。マクシミリアンから「そんなに簡単じゃない」と言われてしまい、ポルフィは悔しい気持ちのまま一人で屋敷に向かうが、レベッカもまた中に閉じこもったままポルフィの呼びかけに応えてはくれなかった。翌朝、張り切って働くポルフィをイラーリアが町に誘ってくれる。イラーリアは立ち寄ったカフェでポルフィに昨日のことを謝ってくれたが、どうしてレベッカと会わないのかと聞かれても、マクシミリアンが言っていたように「簡単ではない」と話すだけだった。すっかり自信を無くしてしまっているイラーリアだが、レベッカの方も本当は会いたいのだと分かれば、2人はきっとまた友だちに戻れると思うポルフィ。それは、口では会いたくないと言うレベッカが、一度壊してしまったイラーリアとお揃いの人形を、今でも大切に飾っていたからだった。難しく考える大人たちを前に、ポルフィは一計を案じる。
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第25话
なかなかミーナの情報が得られない焦りの気持ちを紛らわせようと、ポルフィは朝早くから一心に農園の仕事を手伝っていた。イラーリアはそんなポルフィを心配し慰める。マクシミリアンが町役場に貼り出したミーナのポスターを直していると、役場を訪れた町長のチェーザレがポルフィのことを尋ねていった。その頃マルティーニ農園では、イラーリアの父母のデュリオとグレタが、もしミーナが見つからなければこのまま農園に残らないかと朝食の席でポルフィに話していた。しかしポルフィは、2人に感謝の言葉を伝えながらも絶対にミーナを見つけ出すと決意を固くするのだった。街から戻ってきたマクシミリアンは、デイジーを車に乗せてくる。明るく積極的なデイジーにすっかり圧倒されてしまうポルフィ。デイジーは、街で働く自分の父の仕事場に遊びに行こうとポルフィに持ちかけるのだった。
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第26话
ミーナがカラブリアに向かっているらしいことを知り、名残を惜しむ間もなく農園に別れを告げて列車に飛び乗ったポルフィ。朝になって寝入ってしまったポルフィが目覚めると、乗り込んだ貨物列車ごとシチリア島に渡ってしまっていた。島でミーナを探すことにしたポルフィは、カターニャの市場にやって来る。魚売りの少年から近くの海で魚が取れることを聞いたポルフィは、自分も魚をとってお金に換えようと思いつく。潮溜まりで大きな魚を見つけ格闘していたポルフィの前に、見知らぬ少年マイケルがやってきた。マイケルが一緒に手伝ってくれたおかげでとうとう目当ての魚を捕まえることができると、ポルフィは市場に戻ってさっきの魚売りの少年にとれた魚を自慢する。しかしポルフィは、本当はよそ者が島の海で漁をしてはいけないことを知らなかった。ポルフィたちの後ろにはいつの間にか大きな体の男たちが睨みを利かせて立っていた。そしてそのまま、2人はトラックの荷台に乗せられ、島の大物ドン・マンシーニのところに連れて行かれてしまう。
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第27话
ポルフィとマイケルの励ましで、ジャックはモニカに会うために車で夜の道に飛び出した。3人がマンシーニの屋敷に向かっていた頃、モニカはジャックのことで兄のアンドレとけんかになってしまう。屋敷についた3人は、モニカの部屋の窓に小石を投げてこっそり呼び出そうとするが、すぐには気づいてもらえなかった。だが、飛んできたアポロのおかげで窓から顔を見せたモニカに、ジャックは大声で愛の告白をする。モニカも同じように大きな声で返事をしてくれるのだった。帰りの車の中で、ジャックはポルフィは自分の恩人だからと、一緒にミーナを探す手伝いを申し出てくれる。しかし、小さなシチリアの島中を歩いてみても、ポルフィたちはなかなかミーナの手がかりに辿り着けなかった。とうとうマイケルの提案で、教会のミサに来る人にミーナのことを尋ねてみることにする。
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第28话
ポルフィは、ジャックやマイケルたちと一緒に懸命にミーナの行方を探し続けていた。既に地図のほとんどがバツで埋められていたが、パレルモの街に足を伸ばす前に一旦カターニャに引き返すことにする。そこへやってきたのは、ジャックたちの父の知り合いのパレルモのドン・チッチだった。ドン・チッチは去り際に、ジャックを呼んでアンドレに気をつけるように告げていく。ポルフィたちには親切そうに見えるが、ドン・チッチを見送るジャックの表情は違っていた。そして、いよいよジャックがドン・マンシーニに会いに行く日がやってきた。ポルフィとマイケルも、まるで自分のことのように、約束の時間に遅れてしまうとジャックをせかす。出発前に父のバルバッツァがジャックを励ましてくれ、疾走するフォードはとうとうマンシーニ屋敷の玄関に到着する。ジャックたちの到着を出迎えたのは、三つ揃いのスーツを着こなしたアンドレだった。
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第29话
ローマのイタリア軍の空港に、ポルフィの乗った飛行機が降り立った。ゲートの外に出て辺りを見回していたポルフィを呼び止めたのは、シミトラ村で別れたきりのバーンズだった。懐かしさに思わず顔をくしゃくしゃにするポルフィに、バーンズはわざと怒ったような顔で近づいてくる。バーンズは、みんながどんなにポルフィたち心配しているかを告げると強くポルフィを抱きしめるのだった。ローマの丘の上にジープを停め、ポルフィのこれまでの話に耳を傾けるバーンズ。ミーナが一緒でないことを察するが、ポルフィのしてきた苦労を聞き、きっとミーナは見つかると、以前のようにポルフィの頭に手をやって励ましてくれた。ポルフィはそんなバーンズに、ミーナと一緒にシミトラ村できっとまたパタゴス大ステーションを始めるのだと告げる。任務のために一緒にいられないバーンズは、別れ際に手紙をポルフィに渡す。それは、離れてしまった親友ザイミスから預かった手紙だった。
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第30话
バーンズが話をしてくれたおかげで、ポルフィはローマの下町の宿に泊まることができた。翌朝宿の食堂では、朝食をとるポルフィを主人のブルーノがかいがいしく世話をしてくれる。ブルーノは、ローマは広いが、スペイン広場辺りから探してみては、とポルフィに提案してくれる。やって来た広場では、世界中から来た観光客たちが、さまざまに写真を撮ったりアイスクリームを頬張ったりと楽しそうに過ごしていた。ポルフィが商売をしている露天商の男にミーナの写真を見せて、占い師を探していると聞いてみると、こんな広場でなくもっと裏通りにいくようにと追い払われてしまう。ポルフィは言われたように路地から路地を訪ね歩くことにしたが、あまりにも大きいローマの街にだんだん疲れきってしまう。珍しい車を見ても脇目も振らず一心に歩き続けるポルフィ。いつの間にか観光地から離れた下町までやってきていたポルフィを、見知らぬ女の声が呼び止めてきた。
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第31话
ほんの少しの行き違いで、近くにいるのに出会えなかったポルフィとミーナ。ポルフィはこの広いローマに本当にミーナがいるのか分からなくなり、元気を無くしがちになっていた。ミーナを連れたイザベラたちの一行はまだローマの街に留まっていたが、カルロスはイザベラがミーナを大事にするのが気に入らず、うまく行かない賭けにイラついてミーナに八つ当たりをする。イザベラはミーナをいたわり、カルロスをなだめるのだった。その頃ミーナの写真を手に街を歩き続けていたポルフィは、とうとう小さな広場にいた出店の主人にミーナを連れた占い師のやってくる場所を教えてもらうことができた。大喜びで宿に戻り、主人のブルーノに知らせるポルフィ。だがそんなポルフィの喜びを他所に、イザベラたちはあと一日で次の町に移ろうと話し合っていた。
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第32话
北イタリアの小さな町に移ったミーナたち。無理矢理手伝わされたミーナの失敗で、カルロスのいかさまが見破られてしまったために、一行は慌てて酒場を飛び出した。ミーナに当たるカルロスは、ずっとミーナを連れて行くつもりなのかとイザベラに問いただすのだった。列車でさらに別の街に移ると、そこには温泉を目当てに貴族やお金持ちがたくさん訪れていた。宿泊している安宿の前で、早速占いを始めたイザベラ。ミーナの澄んだ声音の口上に行き交う人々は足を止め、一人の女性がイザベラに占いを頼んできた。ミーナがその様子をじっと眺めていると、一人の身なりの良い男の子がミーナに話しかけてくる。驚いたミーナが宿の中に駆け込むと、男の子はミーナを追って来たが、階段の途中で突然苦しそうに咳をして倒れこんでしまう。
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第33话
新しく着いた活気のある街で、辺りを見回していたポルフィは車の横でタイヤを蹴っているおじさんを見かける。突然声を掛けてきたポルフィを男の人は始め警戒していたが、ポルフィが見事に車の故障を直すと無礼をわびて食事に誘ってくれた。急いでいるポルフィはせっかくの誘いを断り、早々に街中でミーナを探し始める。そんなポルフィを物陰から少年グイードがじっと見つめていた。ポルフィに声を掛けお菓子を分けてくれたグイードは、旅の理由を聞いて、少々強引にポルフィからミーナの写真を取り上げると一緒に歩き出す。道々グイードの身の上を聞いたポルフィは、グイードも同じように両親を無くしていたことを知る。夜が近づき、グイードはポルフィが行くあてを決めていないことを知ると、自分の住処に来るように誘い、朽ち果てた建物にポルフィを連れて行く。そこは、同じように親を失ったたくさんの少年たちが暮らす場所だった。
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第34话
前の街での出来事を思い、足取りも重く元気のないままミーナを探して丘陵地を一人歩くポルフィ。途中すれ違う車に乗せてもらおうとするが、なかなか止まってもらえない。あきらめて進もうとすると、後ろからクラクションを鳴らして一台のトラックがやって来た。運転していたアントニオは、ポルフィの疲れた様子を見て、車に乗せてくれる。揺られているうちに寝込んでしまったポルフィが目を覚ました時には、車はアントニオの家のある街に到着してしまっていた。アントニオはポルフィを自分の家に連れて行き、家族に紹介してくれる。娘の元気な少女ソフィアに気に入られ、明日は街を探検しようと約束させられるポルフィ。翌日ポルフィがソフィアと一緒に出掛けていくと、街の人々が次々と親切に話しかけてきた。穏やかで信心深い街の人々。やがてポルフィはソフィアに「神様がいる井戸」へと案内される。
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第35话
降りしきる雨の中、ポルフィは森を抜ける夜道を村を目指して歩いていた。その頃別の街の酒場では、今夜もカルロスが賭け事をし、イザベラが占いをする傍らにミーナは一緒に過ごしていた。カルロスに勝っていた客の一人が突然大声で賭けを降りると言い、カウンターに戻るなりミーナに視線を寄こしてくる。男はカルロスがお金の換わりにミーナを賭けたのにあきれ、イザベラにそのことを教えてくれる。怒ったイザベラは、テーブルに駆け寄るとカルロスの頬を張り、代わりに母親の形見のブローチを投げ出す。ミーナは突然の出来事にただ驚くばかりだった。雨の中を雷光に怯えながらまだ村を目指していたポルフィは、かすかな明かりを頼りに壊れた小屋を見つける。助かったとばかりに駆け寄った小屋の前には、サイドカーが停めてあり、ポルフィは思わずエンジンを覗き込む。すると、小屋の中から神父のジュリアーニが現れた。
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第36话
小川のほとりに腰を下ろし、アポロと一緒に食事しながら一休みしているポルフィ。木々の向こうに光るものを見て駆け寄ると、そこには荒れ果てたガソリンスタンドがあった。懐かしがりながら辺りを歩いていると、裏手にある古い農家の陰から人の言い争う声が聞こえてきた。近寄ったポルフィの足音に気付き振り返ったのは、表情のないマスクを着けた少女マリッサだった。ポルフィはマリッサのマスクに驚きながらも、ミーナの写真を見せる。マリッサからはミーナの行方を知る答えは得られなかったが、荒れたガソリンスタンドの様子が気になるポルフィが自分の家族のことを話すと、マリッサもまた5年前に両親を亡くしたことを教えてくれる。打ち解けたマリッサの家でもてなされたポルフィは、マリッサがサンドラと言う少女に「顔を見せるな」と言われてマスクをしているのだと知り憤る。自分を雑草と同じと嘆くマリッサに、ポルフィは「僕が友達になる」と宣言する。
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第37话
バス代を惜しんだおかげで、森の中で夜を迎えたポルフィとアポロ。焚き火にあたっていると、茂みの中からセントバーナード犬がポルフィへと近づいて来た。ポルフィのことを気にもせず、寝そべって火にあたろうとする妙に懐っこい犬に、ポルフィは文句を言いながらも笑みをこぼす。犬の首輪にはベルナルドと名前が記されていた。翌朝、車に乗せてもらうために街道に向かうポルフィの後ろを、なぜかベルナルドもついてくる。やって来たトラックにどうやら乗せてもらえることになり、荷台に上がるポルフィ。しかし出発した車がいきなり止まり、驚いたポルフィが前をのぞくと、トラックの進路を横たわったベルナルドがふさいでしまっていた。トラックの運転手の男が追い払おうとしても全く動じないベルナルド。結局追い払うことをあきらめたポルフィは、ベルナルドも一緒に荷台に乗せてもらい街へと向かうことにする。
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第38话
イザベラは、変わらず無表情に過ごすミーナの世話を熱心に焼いている。そんな2人をカルロスはまだ苦く思ったままでいた。一仕事しようと街に出たカルロスの側を、そうと知らぬままポルフィが通り過ぎていく。ポルフィがひらけた道に行き当たると、屋台や色々な商品が並べられた賑やかな蚤の市が開かれていた。車の部品を見つけたポルフィは、楽しくなって興味津々に店先を見て回っていたが、うっかり商品を踏んでしまい、店の女性のエミリアに弁償を迫られてしまう。しかし、ポルフィの身の上を聞いたエミリアは、弁償どころか食事をごちそうしてくれた上に、翌日の店番の仕事を引き受ける約束で、ポルフィをアパートに泊めてくれる。一方、カードで負けて浮かない気分のまま宿に戻ってきたカルロスは、ベッドの側にミーナの銀時計が置いたままになっているのに気付くと、こっそり持ち出してしまう。
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第39话
レオンに貰ったコンパスを手に、ポルフィはフランスの方向の北へ向かってとぼとぼと歩いていた。人気もなくどこまでも続く丘陵の途中で収穫前のオリーブの木を見つけるポルフィ。懐かしさに思わず近寄れば、その実の香りは幸せだった頃のギリシャを思い出させた。しかしポルフィが思い出に浸っていると、泥棒と勘違いした農夫がオリーブ畑にやってきてポルフィを乱暴に追い払う。辛い仕打ちにポルフィは涙が止まらなくなったが、こらえながら暗い森の道を前へと進んでいった。農地を通り過ぎやがて街道に行きあたったポルフィは、一人の女性・ジーナがたたずんでいるのに出会う。挨拶し恐る恐る話しかけるポルフィに、「生きてるだけ。何か文句ある?」と乱暴に返すジーナ。それにひるみながらもフランスの方角を尋ねるポルフィ。ジーナはぶっきらぼうな態度で国境の街のある方を教えたが、ポルフィの元気のない様子が気になり呼び止める。
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第40话
田園ののどかな風景に囲まれ、人気のない一本道を歩いているポルフィ。通りかかった納屋を覗いてみると、中にはふかふかの藁がベットのように広がっていた。ポルフィは思わず手足を伸ばしてくつろぐ内に寝入ってしまう。しばらくしてポルフィをゆすり起こしたのは、納屋の持ち主の青年・ミケーレだった。ポルフィは無礼をわびて出て行こうとするが、納屋の中に置かれているたくさんの絵に気づき感心する。ポルフィに絵をほめられてミケーレが一転して機嫌をなおすと、そのまま2人は夜まで互いに話し込む。ミケーレはパリに行って画家になる夢をポルフィに熱心に語る。しかしミケーレの家族は、働かず夢ばかり追っている息子のことを嘆いていた。ポルフィは母親に咎められても反抗するミケーレの様子に驚き、じっと考え込む。翌朝、再び母親と口論になったミケーレがポルフィと一緒に家を出ようとすると、ポルフィは家族の大切さが分からないミケーレを「馬鹿だ」と怒鳴りつけ、そのまま一人立ち去っていくのだった。
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第41话
国境を越えるトラックの荷台にこっそり隠れたポルフィは、とうとう待望のフランスの地に辿り着いた。しかし、あたりに広がる真っ白な雪景色に見とれていると、トラックの運転手・サミュエルに見つかってしまう。ポルフィはとっさに謝って逃げようとするが、サミュエルは硬い表情のままポルフィの腕を掴むと、無言でトラックの助手席に乗せて走り出した。翌朝到着した山あいの小さな町で、みすぼらしいアパートに連れて行かれたポルフィ。そこでポルフィを出迎えたのは、父の帰りを待っていた少女セシルと幼い弟たちだった。サミュエルは無断でトラックに乗り込み密入国したポルフィを責めることもなく、セシルに寝床と食事の用意を頼んでくれる。亡くなった母親の代わりに、小さな手をあかぎれで一杯にしながら一生懸命家族の世話をしているセシル。辿り着いたフランスでポルフィが出会ったのは、貧しく苦しい生活を送りながらも互いに支えあう家族だった。
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第42话
ある町の工場で、ポルフィは旅を続けるためのお金を貯めるために住み込みで自動車修理の仕事をして働いていた。その日、街の中央を流れる大きな川の中洲にある刑務所では、一人の囚人が逃げ出し、街の人々が行方を探していた。修理工場の主人のロベールは安い賃金で雇い人をこき使うので、働き手の一人のクロードは翌日出て行くことに決め、一緒に工場を辞めて囚人を見つけて報奨金を貰おうとポルフィを誘う。ポルフィは旅費をもっと稼ぎたいために一旦は断るものの、夜、狭苦しく寝付けない寝室を我慢できずに抜け出すと、やはりもう出て行こうと決心し修理中の車の後部座席に毛布と一緒に潜り込むのだった。やがて夜も更けた頃、静まり返る工場にこっそり人影が忍び込んで来る。ポルフィがいるとも知らないまま車を盗もうとした女性は、街の人々が探していたマリアンヌだった。エンジンの音に起こされて顔を出したポルフィを見たマリアンヌは、ビックリするとそのまま急発進した車でポルフィを連れて行ってしまう。
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第43话
大切にしてきた父の形見の工具も盗まれてしまい、打ちひしがれ当てもなく旅を続けるポルフィを慰めてくれるのはギリシャからずっと一緒に付き添ってくれたアポロだけになってしまう。秋の気配の深まる農村地帯をとぼとぼと歩き続けるポルフィだったが、途中で出会った農家の夫婦に親切にされ、ようやくほっと安心することができた。ポルフィが牛乳を分けてもらっていると、農夫の奥さんがミーナらしい10歳くらいの女の子を連れた一行の行方を近所の人に聞いてきてくれる。再び希望に力づけられたポルフィは、夫婦にお礼を言うと疲れた体を気遣いもせず一目散に街を目指して足を急がせるのだった。その頃ミーナたちは列車に乗って旅を続けていた。イザベラは相変わらず元気の無いミーナを慰めようと占いを始めるが、開いていったカードには「死神」が現れてしまう。「ミーナに大きな変化がある」という占いの結果に、すでにミーナを本当の娘のように思っているイザベラは不安を気持ちにかられてしまうのだった。
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第44话
アポロを失ったポルフィはブルゴーニュの暗い空の下をとぼとぼと歩いていた。雪の降り始める寒さの中、疲れた足を引きずりながらも街道沿いをパリを目指して前へと進もうとする。しかし、悲しみの余り心が空ろになってしまっていたポルフィは、知らないうちに車の通る道の真ん中にはみだし、そこへ1台のトラックが走って来てしまう。トラックは急ブレーキをかけてなんとかポルフィをよけるが、車体に煽られたポルフィはとうとう地面に倒れこんでしまった。道の真ん中で倒れた少年に驚いて助手席から飛び降りてきた少女は、偶然にもシミトラ村でポルフィと出会った少女アレッシアだった。父のジャンニの仕事を手伝いながら一緒にパリに向かっていたアレッシア。思わぬ出会いに驚いて慌ててポルフィを助け起こすが、疲れと失望のために記憶が混乱しているポルフィは、そのまま気を失ってしまう。
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第45话
ようやく辿り着いたパリの街。ポルフィは、人々で賑わう華やかな通りに驚きながら道行く人にミーナの行方を尋ねようとするが、都会の人々の反応はとても冷たいものだった。だが、ためらいがちに入ったパン屋の主人は、ポルフィにパンをおまけしてくれ、占い師や踊り子たちが集うのは下町だと親切に教えてくれる。夕方になり、パン屋に聞いた下町にやって来たポルフィ。とある店先でカードに興じる男たちにミーナたちのことを尋ねようとしたが、ポルフィをうるさがった男に突き飛ばされてしまい、運ばれてきた料理を台無しにしてしまった。床に落ちてしまった料理がギリシャ料理だと気づいて、懐かしむポルフィ。思わず謝る前に店主に自分がギリシャからやって来たことを告げるが、怒った店主はポルフィの襟首をつかんで店の奥へと引きずりこんでしまう。そして、お金がなくて料理の代金を払えないポルフィに、店主は料理の名前を当てさせると、代金を弁償する代わりにポルフィに店で働けと告げる。
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第46话
泊めてもらったローズのアパートのソファの上で、ポルフィは差し込んでくる朝日に目を覚ました。朝になって仕事から戻ってきて、今から眠ると言うローズ。これからどうするかを聞かれると、ポルフィは働きながらミーナを探す決心を伝える。しかし、再び立ち寄った親切なパン屋の主人からパリがどれだけ広い街かを教えてもらうと、ポルフィは不安な気持ちを感じてしまう。ポルフィを雇い入れたギリシャ料理店の主人クサロは、ポルフィの仕事ぶりにいちいち文句を付け、ポルフィがお客さんから貰ったチップも巻き上げてしまうような男だった。夜になり、山ほどの仕事を終えてローズのアパートに戻ってきたポルフィは、とうとうパリにやって来たとザイミスに宛てて手紙を書き始める。その頃、ミーナが占いをするイザベラの横でいつものように歌を口ずさんでいると、街角に偶然女優のティファニーが乗る車が止まっていた。自分の映画に出る子役を探していたティファニーは、客引きをしているミーナの姿に目を留め、その歌声に熱心に耳を澄ませていた。
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第47话
今日もパリの街をミーナを訪ねて歩き回るポルフィ。ローズにどの辺りに行けばよいかをアドバイスしてもらうと、ポルフィはルーブル美術館を目指すことにする。ティファニーのアパートに連れて来られたミーナにとっても、新しい一日が始まろうとしていた。ミーナは自分がティファニーに預けられたことを知らずに、イザベラのところに戻ろうとする。ティファニーはミーナにイザベラから預かったブローチを手渡すと、自分とともに暮らしてお芝居を学ぼうと話す。イザベラを恋しく思うようになっていたミーナは、イザベラがもうパリを離れたと知って激しく動揺するが、ミーナに夢を叶えて欲しいイザベラが自分から身を引いたと聞かされて静かに涙を流す。自分を可愛がってくれたイザベラのことを思うと、子役を務めることを決めかねてしまうミーナだったが、ある日ティファニーの稽古の様子を覗いて映画の役柄について話していくうちに、段々引き込まれて行く。
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第48话
料理店の閉店後、床にモップをかけていたポルフィ。カウンターで帳簿をつけていた主人のクサロは難しげな顔をすると、突然ポルフィに右手を突き出してお金を出すように告げる。驚いたポルフィが貰ったチップは全部渡したと言うと、クサロは売上の金が足りないのはポルフィがお金をごまかしたせいだと責め始めた。アキレスの助けでお金は見つかったものの、両親の悪口を言われたポルフィは逆上して店を辞め飛び出してしまう。アパートに戻ったポルフィを、ローズは辛いことから逃げてももっと辛いことが待っているのだと慰めるのだった。一方映画に出ることを決心したミーナは、ティファニーと一緒に最後の撮影日を迎えていた。大きなスタジオにもすっかり慣れた様子のミーナ。ティファニーはスタッフたちの見つめる中、映画のラストシーンを最高の演技で演じ終えるのだった。ローズは店を辞めたせいで時間を持て余すポルフィを、外に連れて行くことにする。仕度を待つ間、ポルフィは前から気になっていた伏せられた写真立てを見てしまう。それは、ローズと並んで微笑む女優ティファニーの写真だった。
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第49话
雨上がりのパリの街。ポルフィは朝からワインを飲み干すローズをお酒は体によくないのだと見咎める。ローズはポルフィを子ども扱いするが、ティファニーの事を尋ねられると、思い出を語りだす。ポルフィは、ローズがかつてティファニーと一緒に女優の夢を目指していた事を聞かされるのだった。ローズは落ち込む気分を変えようと、ポルフィをデートに誘う。これがデートの基本とばかりに、待ち合わせ場所のコンコルド広場で待っていると、美しくおしゃれをしたローズがポルフィの前にやってくる。ローズにエスコートされて、華やかなパリの街に2人で繰り出した。ティファニーの屋敷では、ミーナも気分転換に外出を勧められていた。メイドのナタリーと一緒に通りを散策するミーナ。始めは堅苦しさが取れずにいた2人符だったが、しつこく話しかけてくる男にナタリーが思わず声を荒げいつもと違うナタリーの様子に驚かされたミーナは、自分の心の内をナタリーに打ち明けるのだった。
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第50话
とうとうミーナの手がかりを掴んだポルフィは、ある映画のポスターの前にローズの手を引っ張りやって来た。それは、ローズのかつてのライバル・ティファニーの映画「天使の歌」のポスターだった。ローズは、素人の女の子がいきなり映画に出られるはずがないと、とまどいながら告げるが、ポルフィはとにかく映画を見るのだと言い張る。そして映画を見終えたポルフィは確かにミーナを見つけたと、飛び上がって大喜びするのだった。しかしどうやったらミーナに会えるか分からず焦るポルフィ。半信半疑のローズから映画会社なら知っているかもと聞き出すと、撮影所に直接ミーナを訪ねて行くが、ポルフィはただのファンだと思われて追い返されてしまう。ローズは落ち込んでアパートに帰ってきたポルフィを慰め、昔の知り合いにミーナの事を聞いてみると約束してくれる。しかし、ミーナが見つかったら一緒にギリシャへ帰りたいと話すポルフィに、ローズは少なからず動揺するのだった。
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第51话 愿望
ザイミスとの突然の再会に驚くポルフィ。ザイミスは以前応募していた作文コンクールで見事一番になり、パリ旅行を射止めていたのだ。二人は久しぶりの再会を喜んだが、ザイミスはポルフィの傍らにミーナの姿がないことに気づき心配する。ポルフィが「天使の歌」という映画のことを教え、一緒にポスターを確かめに行くと、ザイミスは自分もその映画を見てみることにした。映画が終わり外に出たザイミスは、映画の子役は確かにミーナだとポルフィに告げる。ザイミスの言葉に後押しされたポルフィは、もう一度ミーナの事を聞いてもらえるようにローズに頼もうと決心する。ポルフィはそのままローズのアパートにザイミスを連れて行き、ザイミスをローズに紹介する。そこでポルフィは再び映画のことについてローズに食い下がるが、ローズはなぜか強い態度でそれを否定し、そのまま外出してしまう。ローズの態度に驚きながらもポルフィは彼女がうそをつくはずがないと信じるが、ザイミスは明日内緒でもう一度撮影所を訪ねようとポルフィを誘うのだった。
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第52话 为了这个瞬间
ローズが気持ちを打ち明けたあくる朝、パリの街には静かに雪が降り始めていた。クリスマスイブを迎え、ローズのアパートにも小さなツリーが飾られたが、ポルフィはローズにあげるものが何もなかった。ローズはポルフィが申し訳なさそうにポケットから取り出したガラクタを見ていたが、急にいたずらな表情になりガラクタからナットをつまみ上げる。ローズは素敵な指輪だとポルフィに微笑み、ポルフィに左手を差し出して薬指にナットをはめてもらう。今迄で一番素敵なプレゼントだと喜ぶローズを見て、ポルフィも一緒に嬉しくなる。ローズは暫くナットを見つめていたが、ポルフィにもクリスマスプレゼントを用意すると言うと外出していった。街中の電話ボックスの前に立ち、ローズがコートのポケットから取り出したのは、ティファニーの連絡先だった。ためらいを感じながらも、ナットの指輪を目にしたローズは、微笑みを浮かべダイヤルを回し始めるのだった。一方、ザイミスと近くの公園で落ち合うポルフィ。雪を見たことのない二人は珍しさに暫くふざけ合っていたが、ポルフィは昔母に言われた言葉を思い出しながら、旅の間の出来事への想いをザイミスに話し始める。二人は互いにギリシャにいた頃からとても成長したと認め合うのだった。